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「勉強を続けるために最も大事なことは、"好奇心"を忘れないことです。それがあれば、年齢に関係なく力を伸ばすことができます」
『「超」整理法』『「超」勉強法』といったミリオンセラーの著者である野口悠紀雄氏。2004年はアメリカのスタンフォード大学に客員教授として招かれた。それに先立って、『「超」英語法』という著書をまとめている。スタンフォードから帰ってきた野口氏に、アメリカでの体験や効果的な英語学習の方法についてうかがった。 |


仕事をする上ではあまり必要がない「不正確な英語」を勉強しようとしたのです。大学の講義などの仕事上ではいつも「正確な英語」を使っているので、正確な英語を使えれば、コミュニケーションにそれほど問題はありません。しかし、例えば映画を見ようとすると、スラングや崩れた表現が出てくるので、正確な英語を知っているだけでは対処できません。
例えば、大昔のことですが、アメリカでガソリンスタンド(アメリカでは「ガスステーション」と言いますが)に入ったとき、スタンドの従業員に"Glass?"と聞かれ、何度聞いても何のことかさっぱりわかりませんでした。相手が窓ガラスをふく仕草をしたのを見て、ようやく「ガラスをふきましょうか?」と言おうとしているのだとわかったのです。しかし、窓ガラスはwindshield というので、これは正確な英語ではありません。
こういう英語は、勉強したところで実際の役に立つわけではありません。私は「八割原則」と呼んでいるのですが、ありとあらゆる英語を聞いて全部を理解しようとするのではなく、八割わかったところで先へ進むほうが効率的です。
| ご自身は、これまでどのように英語を勉強してきたのですか? |

高校生の頃から、英語の教科書を丸暗記していました。無理に覚えようとするのではなく、何度も繰り返し音読していると、20回くらい繰り返せば、自然に覚えます。 いったん覚えてしまうと、その一部を思い出せば、残りの部分が自動的に引き出せます。「丸暗記するのは大変」とよく言われますが、実際には、こんなに楽で便利な方法はありません。
丸暗記するには、内容がおもしろいことが必要ですから、教科書はあまり適切な対象ではありません。そこで、シェイクスピアの名場面のセリフやケネディ大統領の就任演説を暗記していました。当時覚えたことは、今でも自然に口から出てきます。
経済学の勉強のためにアメリカの大学院に留学しましたが、大学の教室で英語で苦労した覚えはないので、正確な英語に関する限り、私の英語の勉強はある程度出来上がっていたのだと思います。

留学すれば英語が上達すると考えている人が多いようですが、実際にはそんなことはありません。特に大学院生は専門の勉強で忙しく、言葉の勉強をしている暇はないのです。私の留学生活も、ほとんどが教室と図書館、アパートの間の往復でしたが、ラジオを聞いたりテレビを見たりはしていました。マンガの『ピーナッツ』から、日常会話の表現を覚えたりもしました。このマンガは、そのときのアメリカ社会で話題になっていることをしばしば取り上げていたので、アメリカ社会について知るよい材料になりました。
ただし、書くのは難しかった。エール大学で博士論文を提出したとき、指導教官に「内容はよいが、英語に問題がある。特に冠詞の使い方がおかしい」と言われました。日本人にはどうしようもないことなので、アメリカ人の学生にチェックを頼んだことがあります。しゃべるときには多少間違ってもそれほど問題はないのですが、書いたものが間違っていると、能力そのものを疑われます。したがって、英語を書く際には、十分慎重になるのがよいと思います。

| * Language Box * |
| 不正確な英語 |
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informal English |
| 正確な英語 |
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formal English |
| 原則 |
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principle |
| 暗記する |
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memorize |
| 就任演説 |
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inaugural address |
| 博士論文 |
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doctoral dissertation |
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